のあゆみ

「第41回定期演奏会」

 

第41回定演プロ
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この演奏会の成功の一番大きな原因は、言うまでもなく、生徒たちのたゆみない努力と意欲のおかげだ。昨年の節目である記念の年を終えて、盛り上がりを心配する声もあったが、それは見事に払拭された。現役生たちの熱意は非常に熱いものだった。

その心を育てたのは、現顧問小倉先生の叱咤激励と熱心な指導によるものだろう。顧問に就任して3年目、小倉カラーはますばかりで、回を重ねるごとにその持ち味が色濃くにじみ出て、だんだん積みあげられていく様子が、ステージからよく読み取れる。構成・演出は、集まった人すべての人が楽しめるよう、細やかに巧みに計算されていた。
さらに表面にはあまり出てこないが、それを支え、盛り上げる副顧問村上先生の力も大きく、目を離せない。その活躍ぶりを目にする生徒達には、少ない言葉から発する無言の説得力にあふれていて、生徒たちの信頼も深まるわけだ。その動きは多岐にわたっており、時には細やかな指導、時には女性らしい優しさで包含したり、時には目立たないように自らも舞台にも立つ。今回のステージでは、トトロの縫いぐるみをきて、抜群の演技力で観衆を引きつけた。

子供の成長を願って全面的なバックアップを続ける育成会の皆さんももう一方の柱だ。正式な育成会の発足は、全校の部活動を対象に一斉に発足した昭和53年だ。初代会長は沼尾真一郎さんで第10回記念定演が開催されたときでもある。だが吹奏楽部に限ると、それからさかのぼること5年前、藤原町総合文化会館が竣工して開催された第5回定演時には、すでにそのような援助活動は開始されていた。その足がかりとして尽力されたのは門脇知夫(現新日本フィル団員門脇駕智志君の保護者)さんであった。以来定演時の部員はもとより、手伝いのOB達にもカレーライスが振る舞われるようになっていた。今回もその懐かしい味に舌鼓を打つことができた。もう一つの定演の味である

第41回定演
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昨年発足したOB会にも、具体的な動きが随所に見られる。その第一は、顧問とOB会長との密接な連絡から生まれる相互理解の密度の濃さであろう。それぞれの立場から細部にわたって意見交換が行われ、協力体制が組まれていた。指導法や曲の解釈、楽器の調達から、効果的な擬音表現のための創意ある楽器の制作。運営面では、会館への楽器運搬やひな壇等の搬入、据え付け。これには、積極的に協力を申し出たOBの援助活動が大きかったし、ステージ作りには、多くのOBたちの上り下りにまで配慮して、特製の立派な階段を制作して協力をしてくれた市民もいたことをOBとしては是非知っておきたい。今年ひときわ目を引いたポスターもそうした外部からの協力によるものである。

ステージに話題を戻そう。幕開けのファンファーレに始まり、山口部長はじめとする代表3名による来客に対する謝辞から始まった。最初とあって適度の緊張感があったが、中学生らしい誠実さにあふれた挨拶に、会場からは応援の暖かい拍手が送られ、すでに今日の演奏会の成功を予見させるにふさわしいものであった。

この演奏会の現役生のもう一つの華は、伝統になっている級友から選ばれた司会者である。ステージと観客を結びつけ、演奏会そのものを盛り上げる重要な大役である。選ばれた男女1名ずつの、軽妙なやりとりの中で進められたが、自分たちの言葉で、中学生らしいまじめさと品格ある態度で司会務めあげていた。終始会場を盛り上げるのにふさわしい司会であった。

1部では、言うなれば現役生の今年度の成果の発表である。この1年、たゆみなく互いに切磋琢磨して磨き続けてきた成果の発表である。時には暗礁に乗り上げたり、時には陰で涙を流したことも何度あったことか。それもみんな声を掛け合って乗り越えてきた。少人数に嘆いたこともあったが、途中から入った部員が、一生懸命努力するのを見て、誰もが心を一つにしていた。そんなみんなが1年かけて練習している楽譜を見た福井先生は、とてつもなく驚いたという。「この部でこれまでに取り上げた曲では最大の難曲であろう。」と。しかし繰り広げられる演奏からは、それをみじんも感じさせるものではなかった。汗水垂らして練習に励んだ自信から来るものだろう。終演後ある保護者もぽつりとささやいた。「あの娘があれほどすごい演奏ができるなんて思わなかった」と言わせるほど、演奏技術は飛躍的に伸びていた。

例の2部は、人数でこそ昨年より少し下回ったが、そこから生まれる情熱にあふれる音の饗宴・融合には、会場を唸らせるものがあった。メンバーは、1つの部活動の先輩・後輩とはいえ、そこには40年以上の中に入っている。毎年この定演を楽しみに来ている常連もいれば、初めて参加するものもいる。海外駐在から帰国したばかりの老練もいれば、この春卒業したばかりの新進気鋭もいる。当時とは違った楽器で参加するものもいれば、見慣れないメンバーの友達という人も潜り込んでいる。中には来年の参加を切望する吹奏楽部以外の卒業生も。
それぞれの思いを胸に集まってくるみんなを暖かく受け入れて音楽を楽しむ、その中心に顧問の小倉先生がいた。
最後の「Hey! Jude」では、今年もこの部の創設者である福井先生が指揮をとった。進むにつれて、メンバーの心は熱くなり、繰り返されるリフレインは30回を優に超えたらしい。
会場は一つの感動の渦と化していた。

 

3部ではいろいろなパフォーマンスが披露された。明るくのびのびした演奏が続いた。ソリストにたった現部員達はいずれも胸を張って高度で美しいソロを聴かせてくれたし、踊りではマイケル・ジャクソンの「Moon Wolk」まで飛び出したが、それらしきものの模倣を遙かに超えた本格的なものであった。またステージ随所に見られたパフォーマンスは昨年来協力をいただいている小川ダンススタジオの協力も見逃せない。

ステージの最後を飾ったトトロでは、「トトロ」の縫いぐるみが目を引いた。傘をさしてたたずむトトロは本物であり、会場をあっと沸かせた数人の児童が全速力で駆け回る電車もまた見事であった。これらの制作も保護者の方達であったし、この曲を楽しく、かつ原曲を活かした編曲をしてくれた編曲者自身が舞台に上がって賛辞を贈ってくれたことも、演奏した部員にとっては貴重な体験になったことであろう。

OBへの案内は、実行委員会のメンバーが仕事の合間に集まって、その手配をしたり、宛名書きを分担したりして発送にこぎ着けた。しかしOBの増加に伴い、担当する役員にとっては、本業を持つ社会人にとっては、たいへんな時間をついやす仕事であり、住所の移動で宛先不明になるなど、困難な点が出てきた。

来年からの軽減の打開策として、OB一人一人が定演の動向をつかめるようなシステム作りとして、インターネットの活用が検討され、すでに一部実施に移されている。来年からは本格的にこのシステムへの移行を目指して、さらに準備が進められるという。

概要としては定演の動向をこの方法(インターネット)で公開し、各個人がアクセスすることによって情報を得る。従って個人宛への郵送による案内は行わない。定演への出演申し込みは、インターネット上に指定された方法、もしくは郵送・電話等で行うこととする。

これによって軽減された役員の労力は、すべて定演の直接的な準備に充てることを基本としている。

今年新たに「部員章」作成の機運の高まりがある。元顧問数人にも相談ををかけたが、その精神には賛同を得ているようだ。制作資金については受益者負担を原則としているが、制作に当たっては最初のみ必要となる経費も存在することから、その扱いについてはOB会に相談があり、OB会長から提案されている。どのような結論が出ることか、近くわかると思われる。